江戸時代初期、日本で初めて磁器の焼成に成功した有田では、国内外に向けて品格のある華やかな製品が数多くつくられました。それらはヨーロッパ各国の王侯貴族を虜にするとともに、西洋磁器にも多大なる影響を与えていきます。
明治時代に入ると日本の陶磁器は、前代からの伝統を受け継ぎながら政府による殖産興業政策のもと、西洋技術の導入や意匠改良などをおこなうことで転換期を迎えます。そうしたなか、絢爛豪華でありながらも先進性を備えた有田磁器は、1873(明治6)年のウィーン万国博覧会をはじめ、世界各国で開催された博覧会を舞台に躍進し、高い評価を受けました。
有田焼創業400年を記念した本展では、明治時代の同地を牽引した香蘭社や精滋会社を中心に、万国博覧会への出品作品やこれらの元となった図案などをご紹介いたします。
躍動する時代の中で生まれ、世界を魅了した華麗なる作品の数々を通じて、明治有田の超絶の美をご堪能下さい。