写真を通して自身と社会が交差する接点に生じる「イメージ」の探求を続ける志賀理江子。
1980年に愛知県に生まれ、2008年から宮城県に拠点を移し制作活動を行っています。
本展では、 2009年にバンコクの恋人たちを撮影したシリーズ「ブラインドデート」を始まりとして、「弔い」「人間の始まり」「大きな資本」「死」などをめぐる考察と物語が綴られていきます。
出品作品は、写真プリントの他に約20台のスライドプロジェクターによってインスタレーションを構成。
会場に置かれたプロジェクターの点滅は、生、暗闇と光、この世界に相反しながら同時に存在するものごとの隠喩でもあります。
私たちの肉眼で見えぬものは何か。その領域をこそ写し出す写真というメディアに懸ける志賀は、出来うる限りの正直さで社会をまなざしながら、人間の生から離れない写真の空間を立ち上げます。