平成29年 繰り返し訪れたヨーロッパ周遊で得られた紀行作品で広く知られる安野光雅は、昭和2年(1926)島根県津和野町に生まれました。35才で教師を辞して本格的に画家として活動を始め、エッシャーに影響を受けた最初の絵本作品「ふしぎなえ」は不可能図形の世界を描き大きな反響を呼びました。また文学にも造詣が深く、司馬遼太郎の「街道をゆく」の装画も描き自身の旅の画家としての想いを存分に発揮しています。
このたびは、画家のその多彩かつ多岐にわたる創作活動のなかから、絵本の世界と旅のスケッチに注目し、その個性的な水彩画で表現された氏の業績の一端をのぞいてみることのできる作品を展示し、安野光雅の世界に身近に触れる機会とします。