今回は、陶磁器以外の中国工芸に焦点を当て、青銅器、銅鏡、金銅仏、漆工芸、玉器の約50点にて構成いたします。
実用品としての機能に加え、美しさを兼ね備えたものを工芸品といいます。早くも新石器時代の終わり頃から作られていた青銅器は、神や祖先を祀る儀式に用いられたとされ、堂々とした重量感と器面にひしめき合う複雑怪奇な文様が威容を放ちます。供え物の肉を煮る容器の「鼎(てい)」や、穀物を蒸す容器の「甗(げん)」などを出品いたします。また、漢時代や唐時代の鏡の裏面に施された装飾には、当時の人々が信じていた神や聖獣があらわされており、私たちを神秘の世界へと誘います。
そのほか、唐時代の小金銅仏や、明・清時代の漆工芸、清朝玉器により、長い歴史を持つ中国工芸美術の一端をご紹介します。