奈義町「書のまちづくり」構想の中で収集されてきた作品を展示公開する作品展を開催します。本展のテーマは「対峙する文字」と題し、意味や文字のつながりを重視した書作品と、意味やつながりから文字を開放し、カタチや画面全体の構図のおもしろさに着目した前衛書とを対比して展示します。それぞれの作品を個別に見て楽しむ鑑賞方法を超え、空間全体を一つの作品として捉えたとき、それらの一見全く趣の違う書作品は共鳴し合い、鑑賞者は文字に囲まれた空間そのものを体感するような感覚を覚えます。筆と墨によって時間をかけて書かれた文字は、その一瞬一瞬に作者の重い意味が宿ります。それは私たちが知っている文字の意味を超えて、また別の意味として鑑賞者に語りかけてくるでしょう。