徳川幕府創設者の初代将軍徳川家康が亡くなり神として祀られた元和二(1616)年から四百年の節目の年にあたり、宮崎の地に初めて徳川歴代将軍家の名宝が一堂に会する「家康没後四百年 徳川歴代将軍名宝展―久能山東照宮」を開催します。 徳川家康が征夷大将軍に任じられた慶長八(1603)年から、慶応三(1867)年の大政奉還まで二世紀半にも及ぶ江戸時代、徳川将軍家は全国諸大名の頂点に君臨し、武家の棟梁としての文化・伝統を築き上げました。この文化・伝統は、世界史的に見ても稀有な長期に亘る泰平の世という、日本が誇る政治の安定期がもたらした賜物です。
この展覧会では、「国宝・久能山東照宮」「徳川将軍家の武威」「久能山東照宮の名宝」という三つのテーマにそって、武門の象徴である武器武具・歴代将軍の遺品・徳川家康ゆかりの品々・幕府と諸外国との交流を伝える歴史資料などを紹介し、年表・パネル・映像資料を用いてわかりやすく解説します。
全国各地の東照宮の根本大社にあたる静岡県静岡市の久能山東照宮は、初代将軍徳川家康が埋葬された神社であり、江戸時代を通じ徳川将軍家の崇敬厚く、神宝・奉納品を中心に、国宝・重要文化財230点を含む2,000点を超える美術・工芸品を所有します。このたびは、所蔵品の中から選りすぐりの文化財を紹介します。当地初公開となる武家文化の精髄を心ゆくまでご堪能いただければ幸いです。