横須賀美術館では、2017年11月18日(土)より、若くしてシュールレアリスムの画家として注目され、戦後も詩情と感覚あふれる独自の歩みを続けた伊藤久三郎の、22年振りの大規模な回顧展「没後40年伊藤久三郎展-幻想と詩情」を開催いたします。
京都に生まれた伊藤久三郎(1906~1977)は、1920年代後半から二科展などを舞台にし、当時の前衛的傾向であるシュールレアリスムの画家として活躍します。戦後は京都に戻り、行動美術協会を中心に、変化を恐れずにたえず新たな作風に挑戦し続けました。その特徴は、画面をまとめあげるリズムと抒情性あふれる豊かな感覚といえるでしょう。
横須賀美術館は、伊藤久三郎のご遺族より作品のまとまった寄贈を受けています。そこには初期の静物画や、 シュールレアリスム期、 戦後の抽象画デッサン スケッチブックなど、生涯にわたる重要で魅力的な作品が多数含まれています。本展では、初出品の多くのデッサンによって創造の源泉を探ると共に、当館の所蔵作品からの精選に、各地にある主要な油彩画や資料をあわせて約150点をご紹介し、日本近代美術史に独自の足跡を残した伊藤久三郎に網羅的な検証の光を当てる、22年振りの回顧展となります。