19世紀初頭に自転車が形作られて、ちょうど200年になります。その歴史とともに、自転車は人間の移動の考え方を常に革新し続けてきました。富裕層が楽しむレジャー用の高級品として登場した自転車は、やがて工場での大量生産とともに大衆の手が届く日用品となり、今日では最も身近な乗り物なっています。
また自転車は、その黎明期から各種の競技会が開催され、世界最高峰の自転車レースとして知られるツール・ド・フランスは、世界中から多くのファンが集まり、その歴史は100年を超えています。
近年は、環境にやさしい移動手段としてエコロジーの観点でも、またファッションの面でも自転車が注目されており、21世紀においても、その価値は計り知れない可能性を秘めているといえるでしょう。
本展では、自転車のさまざまな側面―登場からの歴史、生活、芸術、そして未来の姿など―を紹介し、人々の生活と密接に歩んできた自転車と社会との関わりを紐解いていきます。