1962(昭和37)年、秋野不矩はインドの大学の招きに応じて現地へ赴任し、約1年間の海外生活を経験しました。そこでインドの壮大な自然や人々の生き様に大きな感動を受け、以後創作テーマが一変します。日本国外に取材した情景を大らかに描き上げる制作に生涯をかけて取り組み、独自の画境を拓きました。
本展では、《坐す》、《暮れる海》など渡印以前の作品から、《インド女性》、《廻廊(アンコールワット)》などの度重なる海外訪問に基づく制作を経て、最晩年の取材旅行の成果である《砂漠のガイド》までを通貫して展示します。