鹿沼市立川上澄生美術館木版画大賞は1995(平成7)年、木版画家・川上澄生の生誕100年を記念して創設された、公立美術館としては全国初の木版画を対象とした公募展です。木版画において新たな境地を開いた川上澄生の精神を受け継ぎ、「次代を担う木版画作家を見出す」という目的のもと開催しています。
公募展名の冒頭に「鹿沼市」と入れることで、鹿沼市と木版画を結びつけ、「木のまち鹿沼」のイメージを全国に発信しています。2017(平成29)年に第23回を迎え、歴代の受賞作家はその後も多方面で活躍し、日本の版画界において欠かせない存在となっています。
受賞作品のうち、買い上げ賞の作品は当館に収蔵され、現在87点からなる現代木版画の最先端をいくコレクションを構築しています。
本展は、今や版画家の登竜門として定着している木版画大賞の軌跡をたどり、歴代の買い上げ賞の作品を紹介するものです。今回は第1回~第4回までの10点を紹介します。23年の時を経て、木版画大賞の意義を多くの方々に知っていただく機会となれば幸いです。