一陽会委員の洋画家・宇留野信章さんは、少年の頃から大学卒業までに水彩画、デザイン、シルクスクリーン、油彩と様々な手法を試み吸収し、幅広い表現が可能なアクリル絵具に出会うと、それまでに学んだ全ての手法を取込んで描くようになりました。モチーフも初期の頃の自画像から、蓮の花へと変化し現在は自宅近くの川辺の風景や植物をモチーフとしています。前景と背景を異なる手法で描いたものを重ね独自の幻想的な心象風景を生み出し、先人たちが培ってきた伝統的な日本絵画の感性を和紙とアクリル絵具で表現しています。
今展の前期では、これまでの作品から厳選した宇留野さんの優品7点を、後期には新たに制作した大作2点を展示します。