日本の近代化とともに本格的に流入した西洋の油彩画法は、かの国に憧れる若者たちによって受容され、「洋画」と呼ばれる独特のジャンルとなってわが国に根を下ろしました。日本の洋画家たちはやがて自ら渡欧して徹底的に基礎から最新の芸術運動までを吸収するようになり、その誕生から半世紀を経た昭和戦前期には、多くの個性的な画家が活躍するに至りました。
本展は、公益社団法人糖業協会が所蔵する珠玉のコレクションから、独自の表現を切り開いた日本近代の洋画家42人の61作品をご紹介するものです。西洋文化の新たな潮流が押し寄せる中、日本の洋画家たちが見出した美意識と、それぞれの画家が求めた独自の表現を改めて見つめ直し、お気に入りの名品と出会う機会としていただければ幸いです。