19世紀、アジアのさい果ての国「ニッポン」に憧れ、オランダ商館の医師としてやって来たドイツ人、シーボルト。二度の来日で熱心に博物学的な収集をおこない、日本の自然や生活文化を中心とした膨大な数の物品を持ち帰りました。彼はこれらを駆使して、ヨーロッパに日本を紹介するための展覧会をたびたび開きましたが、それは万国博覧会やジャポニスムの流行の先駆けとなる活動でした。この「日本博物館」の実現に生涯をかけた彼の没後150年を記念し、厳選した約300点の品々が今回ドイツから里帰りしました。シーボルトが魅せられ、またヨーロッパの人々に見せようとした「ニッポン」の姿にせまります。