和田みつひとは、光と色を用いて、恣意的な構成を抑制し、建築空間に沿った分節化を行うことで、その場所に潜む構造を浮かび上がらせ、作品となる場所や環境を視覚的に変容させる作品を発表しています。
今回の展示では、光と色による空間の操作に加え、時間的要素が伴う映像的表現を作品に組み込みます。作品を固定した実体のある物とは考えず、鑑賞者と場所との関係の中にある作品です。物質世界からも既存の様々な意味世界からも離れ、日常から解放された空間の中で、鑑賞者が立ち至ることで、その場を感じ取り包まれつつも、自らが作品の一部となり、見られるべき一つの存在となる場の創出です。過ぎていくものと永い時間が一瞬に現れる。そのような場をつくり出したいのです。