ガラス造形作品において、光が及ぼす効果はしばしば視覚的に重要な要素となり得ます。ガラスには、光を透過させたり、反射させたり、内部に滞留させたりする特性があります。また、屈折や映り込みなどを利用した面白い視覚的効果を生み出すことも可能です。一方で、ガラスの表面を加工したり、光を透過しにくい不透明なガラス素材を用いたりすることによって、あたかもガラスの光学的特性を抑制するかのような表現も存在します。ガラス作家は、そのような様々なガラスの特性を熟知し応用し、光の効果を巧みに操り、魅力的な作品を創造しているのです。今回の展覧会では、光と視覚的効果をテーマにして、多様なガラス造形作品を展示いたします。ガラス素材の選択や加工の方法によって、また設備される環境によっても、まるで魔法にかけられたように自在に姿を変化させるガラス。その限りない魅力をぜひご堪能ください。