私は、長きにわたってtensionというテーマのもとに作品を作ってきた。織という手段を使ってはいるが、織る部分を極力少なくして、平面が立体へと変貌した時に、たて糸がいかに美しく多彩な表情を作り出していくかを考えてきた。
今回の作品は、2年前から作り始めたシリーズで、これまでほとんど作らなかった壁面の平面作品から、立体へと発展させたものである。
手法は平織と二重織を使い、素材は伸び縮みが少ないテトロンである。ステンレス棒を織り込んで、それをつなぎ広げることによってより大きくし、外側の6面の中に3面を入れ込んだ二重構造にした。それによって間にできる空間を活かすことができ、色や形の重なりの面白さを楽しんでもらえたらと思っている
吉田誠