《Web of Life》について:
情報ネットワークの進展とそれをめぐる理論は、自然、経済、社会といったさまざまな事象の生成に関しての革新的な新解釈を生み出しつつあります。
《Web of Life》は、こうしたきわめて重要な知の新領域を、芸術と科学の融合によって形成し、表現するための複合的なプロジェクトであり、書籍『The New Web of Life: the Art of Networked Living』、世界各地でのインタラクティヴなネットワーク型作品の展示、ウェブ・サイトによって構成されています。
このプロジェクトは、アヴェンティス財団の支援のもと、ZKMを拠点として、作家ミヒャエル・グライヒと、アーティストのジェフリー・ショーを中心としたチームによって推進されています。
展示作品(ネットワーク型作品):
作品に設置されたスキャナーが鑑賞者の手相の線を読みとり、その情報がシステムに送られることで、テーマに関連した映像と音響のタペストリーが、アルゴリズムに基づいて刻々と変化してゆきます。
会場では、二つとして同じもののない手相の線が、スキャンされた場所のキャプションと共にスクリーンに映し出されます。スキャンされた手相の線は変形しながら画面上の映像にとけ込んでゆきます。映像も音響も、そして手相の線も全く同一のものはなく一回ごとに異なる様相を見せます。
こうして鑑賞者は、ネットワーク型の作品に自らも参加し、そこに新たな息吹を与えることになります。つまり装置に手を触れることで、多様なテーマから成る視聴覚の相互関係のめくるめく世界の扉を開け、《Web of Life》の一員となるのです。