近代日本の画期的な児童雑誌「赤い鳥」が創刊されたのと同じ、1918年に生を受けたいわさきちひろ。幼少期には絵雑誌「コドモノクニ」に親しみ、昭和初期の日本において洋画界の重鎮といわれた岡田三郎助に14歳で師事するなど、恵まれた少女時代を過ごしています。その後、戦争と家長制度という時代のうねりに翻弄されながらも必死に乗り越え、戦後日本の再建に湧く新しい時代の幕開けとともに、ちひろもひとりの人間として自立、画家への道を模索するなかで、童画家の道へと進みます。本展では、2018年に生誕100年を迎えるいわさきちひろの人生と画業の歩みを、その作品や資料からたどります。