鈴木忠実は、1935(昭和10)年、大分市生まれ。1963年、独学で日本画を描き始め、翌年の第34回大分県美術展に《追憶》を出品し、初入選。1968年、宮崎武夫の勧めで、第18回新興美術院展に出品し佳作賞を受賞、同院会員となる。1980年、同院審査員、1991年(平成3)年、同院理事、1998年、同院常任理事(2015年退会)。その間、日本美術協会賞(80・87年)、文部大臣奨励賞(93年)等、多くの受賞を重ね、2001年、大分県日本画協会会長となる。その一方で、日本画研究グループ「大分志炎会」や「浅葱会」等を主宰し、後進の育成に努めた。
本展では、初期の《乳児院》、80年代にヨーロッパを取材した《聖母》、90年代半ば以降インドをテーマにした《ガンガー》等シリーズより、厳選した代表作約80点および関連資料を展示し、日本画家鈴木忠実の約55年にわたる画業の全貌を紹介します。