「目を開けば、そこに景色がある」と私たちは考えがちですが、西欧の学者は次のように言います。「山があるから山の景色があるのではなく、景色として山を見るから山の景色があるのだ」と。景色は、存在することと、それを景色として認識すること、この両者があって成り立ち、また視覚の他に、音、匂い、手触りといった五感を通して感じられるものです。人によって、地域によって、民族によって、時代によって異なるとも言われています。
国東市国見町に生まれた河合生徳は、京都を中心に制作をしていましたが、「愛情をもって自然を見ることができる場所は、ふるさとしかない」「それを作品の中に入れていきたい」という思いでふるさと大分の風景を絵画のように磁器に映していきました。
本展示では、五感を通して感じたふるさとの景色を表現した河合誓徳の磁器の作品を中心にご紹介します。