日本画における風景表現は東洋絵画における山水画の伝統に連なる自然描写のみならず、作者の内面性の発露が重視された作品が見られる一方で、西洋の風景画に影響を受けた作品、或いはそれらが融合した作品など、今日では多様な展開を見せています。
こうした作品には日常の情景から、各地の名所、自然、日本国内にとどまらず海外の景観などが幅広く描かれています。
今回は、四季折々の日本の景勝を情感豊かに描いた日田市出身の岩澤重夫(1927-2009)、中国(宋・元)の墨画表現を学び、墨を主張色とした、ダイナミックな風景表現を得意とする佐伯市出身の箱崎睦昌(1946- )の日本画を中心に、魅力ある風景画の数々を紹介します。