助手席からの何気ない景色たち。車の免許を持たない作家はいつも助手席から流れていく風景を眺めていた。
カーラジオから流れていたのは、マイケル・ジャクソンの「Remamber the Time」だった。
Do you remember the time ? いつもふたりで取材に出掛けた。
景色は一瞬で過ぎ去っていく、そしてその時間も砂のように風にのって飛ばされてしまう。
しかしこの作品たちを見ればいつ、どこへ行ったのかを思い出すことができる。
免許を返納してしまったいま、もうあの心地よい助手席に座ることはできないが、
作品を描き続けることで、時間はよみがえり、キャンバスの中で永遠に生き続ける。