この度、「笠間日動(かさまにちどう)美術館名品選~絵画に咲く女性たち~」と題して、同館が所蔵する絵画作品の中から、女性をモティーフとする70作品を精選して展覧します。古今東西、女性たちの姿はさまざまに描き表されてきました。日本では、明治期に西洋から新しい美術思潮が伝わると、西洋画の基本である裸体画の研究がなされるようになり、また目の前のモデルをいかに表現するかという技法上の問題や、どんな思いを託すかという思想的なテーマにも関心が向けられるようになります。また女性像には、見目の麗しさや生命力といった女性美だけでなく、モデルである女性が置かれた状況や社会的な背景がうかがえるような描写が多くなされています。本展で紹介する女性像は、幼い少女から若い女性、孫に寄り添う老女など実に様々。女性に対して画家や社会がどんなまなざしを向けていたのか、また一方で描かれた女性たちは何を思い何を見つめていたのか。作品と語らいながら女性像の尽きせぬ魅力を味わって頂ければ幸いです。
主な展示作品は、岡田三郎助《裸婦》、藤島武二《婦人像》、青木繁《二人の少女》、岸田劉生《麗子十六歳之図》、竹久夢二《宵待草》、中山忠彦《婦人像》、森本草介《微睡の時》など。この他、ウッドワンコレクションの中から、岸田劉生の麗子像など10数点を参考出品いたします。