今から500年以上も前の中国で作られた『西遊記』の主人公・三蔵法師といえば、現代においてもドラマやアニメなどでよく目にする、私たちにとって身近な存在の人物です。時にヒーロー、時にはヒロインといったイメージが強い三蔵法師ですが、かつて実在したお坊さんがモデルになっているのを知ってましたか?
中国、唐代の高僧・玄奘(602-664)がそのモデルとされ、唐の都・長安から天竺(インド)まで灼熱の砂漠、険峻な山岳地帯を通って、お釈迦様のありがたい教えが記されたお経を求めて旅した実話が後世『西遊記』となり、一般大衆化されていきます。
私たちに馴染みのある『西遊記』のストーリーは、孫悟空や沙悟浄、猪八戒といった個性豊かなキャラクターとともに旅をしながら妖怪を退治し、天竺を目指すというものです。はたして実際どうだったのでしょうか?また天竺へ辿りついた後日談は...?
知っているようで知らない真の三蔵法師の姿を知る手がかりは、実は奈良にある法相宗大本山薬師寺に残されています。この展覧会では、薬師寺に伝えられた玄奘三蔵に関わる貴重な寺宝を紹介することで、本当は三蔵法師がどのような人物であったのか紐解きます。
1400年の時を越えて語り継がれる、三蔵法師の真の物語を是非ご覧ください。