光の表象
光の実在に目覚め、光を発見した、パリの屋根裏部屋。
パリと京都はよく似ているといわれます。共に時間をかけて造りあげられた街です。一筋縄ではいかない難しさと面白さが共存し、そこに住む人々の感性をしたたかに育てているのです。
1972年、小さな劇団の照明係として渡仏、公演後そのままパリに残った田原桂一は、写真家を目指し、わずか5年後の26歳の時、この「窓」のシリーズでアルル国際写真フェスティバル大賞を受賞、一躍世界的な脚光を浴びます。以後、木村伊兵衛賞、ニエプス賞、シュヴァリエ文化功労賞と受賞を重ねてきました。
本展では、プラチナプリントという古い手法で焼き付けられた「都市」「窓」「エクラ」「ヌード」「トルソー」の5つのシリーズを中心に、作品約60点を展覧いたします。また、石やガラス、布などに印画された作品も展示いたします。活動の場を日本に移した田原桂一の再スタートとなる本展を、ぜひ御高覧ください。