江戸時代になると街道が整備され、人びとは安全に遠くへ出かけることができるようになりました。加えて、移動の自由が制限されていたものの、信仰による参詣であれば旅に出ることが認められていたことから、多くの庶民が伊勢参りなどに出かけたのです。そして、明治時代になると鉄道の開通によって、より遠くへ気軽に旅することが可能となりました。
本展では、江戸時代から昭和のはじめにかけて大きく様変わりした旅の様相を紹介します。当時の旅人が書き残した旅日記とともに、旅人が見たであろう風景が描かれた浮世絵や絵巻、旅人が使った旅道具など、さまざまな資料から当時の旅を追体験します。