明治時代から続く唐物風の伝統がさかんであった昭和10年代に、祥雲斎は細いひごを並べ、縦の線のみで構成した櫛目という独自の手法を開拓し、竹の清楚さと弾力を生かした作風を展開していきます。
その後、昭和30年代には、生活空間を強く意識し、ダイナミックかつ彫刻的な作品「怒涛」や華器を兼ねたモビール「川」へと向かいます。細いひごが作り出す「かすかな空間」「見る位置によって線の交わりが変化する不思議な効果」は、竹のもつ特性やその美しさを素直に感じさせてくれます。
本展では、細いひごが作り出す線の造形美を感じる祥雲斎の作品を中心に紹介します。