タイトル等
画集刊行記念
八島 正明 展
-人がかつてそこに居た「形跡」-
会場
名古屋画廊
会期
2016-11-18~2016-11-26
概要
意外性を持つ絵画
描きたいから描くのではなく、描く必要にかられて描き続ける画家はそう多くない。一貫したテーマを追う八島正明は、間違いなく後者に属する画家である。その根本にあるのは、戦後まもなく亡くなった弱者としての妹の死であった。まだ幼かった自分には助けることもできなかった妹に対する心痛の念は、顔も思い出せない妹の記憶を何度も辿る使命を背負うこととなった。そして、妹のイメージを絵画の世界で成長させることは、人がかつてそこに居た「形跡」や、存在そのものを問いかけることと深く連なっていった。
夕刻には山影に覆われるという藤原岳の麓で、八島はずっと制作している。油絵具を筆で塗り重ねて像を結んでいく一般的な手法ではなく、母親の象徴的イメージであった裁縫の針で油絵具を掻き削る。私たちが日常意識しない、あるいはしたくない一過性としての個々の生命の意味を、削るという手法で呈示した八島の作品を前にすると、気が滅入るかと思いきや、意外と落ち着いた気分になれるのはどうした理由であろうか。
田中善明(三重県立美術館学芸員)
会場住所
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄1-12-10
交通案内
【公共機関で…】
地下鉄東山線または鶴舞線で伏見駅下車(名古屋駅から地下鉄東山線で一駅)地下鉄伏見駅6番出口(御園座口)より直進約100メートル

【お車で…】
広小路伏見交差点を南へ約100m直進し、三蔵(みつくら)交差点の南西のカド ※お車は西隣の秋月パークをご利用ください。
ホームページ
https://www.nagoyagallery.co.jp/
愛知県名古屋市中区栄1-12-10
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