「NOSIGNER(ノザイナー)」は、良いデザインを作りたいと願うからこそ、なるべくデザインをせず、必然的なデザインを選び取ることに向き合いたいと考えています。シンプルにすることにも似ていて、少し違います。デザインを率直にしたいのです。
本展では、「デザインは、モノの生物学である」という視点に立脚し、デザインや形が生まれる理由に焦点を当て、「デザイン」という行為を、改めて自然現象が形を生み出すプロセスの観察から学びます。それはデザインの思考プロセスの解体であると同時に、デザインの多様性を生み出す新しいガイドラインとなるかもしれません。
また、そのケーススタディとして、今日までの我々のデザインプロジェクトを並列的に展示し、その形に至った理由を解剖することで、デザインと社会の接点を拡張しようとしてきたNOSIGNERの取り組みをご覧いただけたらと思います。本展を通して、自然とデザインの裏にある「かたちと理由」のただならぬ関係の一端に触れていただけたら幸いです。