画家・清川泰次(1919-2000)は、慶應義塾大学を卒業後、二科展や読売アンデパンダン展などで作品を発表していましたが、「本当の絵画とは何か? 本当の油絵とは何か?」を探求するため、1951年に単身アメリカへ渡りました。3年間の滞在中に、具象表現から抽象へと本格的に移行し、もののかたちを写しとることに捉われない、独自の芸術を模索し始めます。その後、もう一度アメリカで挑戦したいと、1963年に再び渡米。個展などで精力的に作品を発表しました。
本展は、近年、新たに収蔵された作品を3つの会期に分けてご紹介するシリーズ「新収蔵作品を中心に」の第2期です。清川が、1度目の渡米を終えた1954年から、再渡米までの間に制作した油彩画約10点を展示します。具象的なかたちを描かず、複雑に交錯する線と色面だけで構成された、実験的な作品の数々をご覧下さい。