17世紀オランダ最大の巨匠レンブラント・ファン・レイン(1606~69)。その油彩画の傑作約50点を一挙に展示する大回顧展「大レンブラント展」を開催します。
ヨーロッパでは1956年と1991年に大規模な展覧会が開かれ、全世界の注目を集めましたが、アジアで大規模なレンブラントの展覧会が開催されるのは今回が初めてです。京都での開催後はドイツ・フランクフルトのシュテーデル美術館に会場を移す国際巡回展となります。
レンブラントは、独特の明暗表現から「光と影の画家」として知られる、西洋美術史上最も重要な画家の一人です。生まれ故郷のライデンで画家としての修行を積んだのち、25歳でアムステルダムに移り住み、当代随一の肖像画家としての名声を築き上げます。
しかし、有名な大作「夜警」が完成した1642年以降、画家の運命は暗転します。妻サスキアの死、浪費癖がたたっての多額の借金、そして破産宣告…。つぎつぎと襲いかかる困難と失意の中、レンブラントは一人息子のティトゥスと後妻ヘンドリッキェに支えられて絵画制作を続けます。豊かな色彩と穏やかな描写による晩年の作品は、苦悩に満ちた彼の人生を反映しているかのようです。
今回出品される約50点の作品のほとんどが、画業の頂点をなす傑作中の傑作です。これほどの作品が一堂に会する機会はいまだかつてありませんでした。
ぜひこの機会にレンブラントの傑作の数々をご堪能ください。