一人の少女=マンガ家が見つめた、あの時代、その行方
『pink』『リバーズ・エッジ』『ヘルタースケルター』などで知られ、1980~90年代を象徴するマンガ家・岡崎京子。下北沢の理髪店に生まれ育ち、短大在学中にデビュー以後、マンガ雑誌にとどまらず「平凡パンチ」「CUTiE」といった週刊誌、ファッション誌などを舞台に次々と作品を発表して脚光を浴びましたが、1996年、不慮の事故により活動を休止します。その後も未刊作品の出版や復刊が相次ぎ、2012年には『ヘルタースケルター』が映画化されるなど、今も新たな読者を獲得し続けています。
女の子たちの夢や憧れを紡ぐ少女マンガとは対照的な、都市に生きる少女の日常、変容する家族像、高度資本主義下における女性の欲望や不安といった時代の現実を果敢に描き続けた岡崎京子。本展は、彼女のこれまでの仕事を取り上げる大規模な展覧会です。彼女が見つめた時代とその行方を、300点以上の原稿・原画をはじめ、学生時代のイラストやスケッチ、80~90年代の時代を画した掲載誌の数々、関連の資料を通して見てゆきます。