古来、日本人が信仰してきた「カミ」は、姿を見せないもの、または姿を持たないものとされてきました。6世紀中ごろ、仏教の教えとともに、仏像が日本へ伝わります。信仰の対象である「ほとけ」の姿をあらわした仏像の存在を知った人々は、これまで信仰されてきた「カミ」に対しても、具体的な姿を求めるようになり、神像を制作します。
神像と仏像には、厳しく、怖く見えるもの、静かに、優しく見守っているように見えるものなど、さまざまな表情を浮かべるものがあります。信仰の対象として制作され、現代まで大切に伝えられたその姿には、時代を超えて人々を惹きつける魅力が備わっていると言えるのではないでしょうか。
このたびの展覧会では、神像と仏像をはじめとした彫刻を中心に、岡山県を代表する宗教美術をご紹介します。