東洋と西洋、技と心の結晶。
幼少期からいくつかの異なる文化を持つ国や地域で過ごしたバーナード・リーチ(1887~1979年)。その体験は、リーチのその後の人生に大きな影響を与え、やがて東洋と西洋の文化の融合―東と西の結婚―という理想へと発展していきました。
ロンドンの美術学校で学んだリーチは小泉八雲 (やくも) の著作を愛読し、1909年に憧れの日本に再来日します。そこでリーチが開いたエッチング(銅版画)教室に生徒として参加したのは、同年代の日本の若者たち。やがて柳宗悦 (やなぎ むねよし)(1889~1961年)ら雑誌『白樺』の同人をはじめ、共に陶芸の道を歩むことになる富本憲吉や濱田庄司らと交友します。とくに、日本民藝館を創設する柳宗悦とは、芸術や宗教など精神世界を語り合う友として生涯を通じて交流を深めました。
この展覧会は、リーチの生誕130年を記念し、日本最大のリーチ作品コレクションを誇る日本民藝館の所蔵品を中心に、日本人に愛された英国人陶芸家バーナード・リーチの芸術活動をご紹介するものです。
本展覧会は、日本民藝館が監修し、鈴木禎宏氏(お茶の水女子大学准教授)より学術協力をいただきました。