自然律とは二つ以上の自然の出来事や性質の間で成立している恒常的で普遍的な関係を経験的にいい表したもの。自然の法則です。西洋では、古くは芸術は自然を模倣したものと考えられましたが、自然それ自体は低次元な素材に過ぎず、人間の手が加えられた芸術美こそ高尚なものと考えられてきたそうです。しかし私たちの東洋の感性は、四季の気候の変化や、その時々の人々の営み自体から美を汲み取ろうとします。特に写真を用いた美術表現では、山野や街路などのありふれた風景それ自身が、私たちのイマジネーションを拡げる力を持っていることがよく分かります。光学現象である写真は、それ自体自然法則の一部だからなのかも知れません。この展覧会では、写真表現を中心に、広大な自然律を捉えた作品を展示します。