不思議なことに、自分の版画が出来てくると、ぞくぞくするような感動がある。
『版画藝術』15号(1976年)より
「芸術は爆発だ」など数々の名言を残した岡本太郎のあまり知られていない版画作品を中心に展示し、作家の創作背景とそこから生み出された作品世界に迫ります。写真や美術、立体など太郎が関わった創作ジャンルは多岐にわたっています。その中でも、1950年頃から制作されたリトグラフから80年代半ばまでの版画作品には、絵画や立体作品と変わらぬエネルギーが満ち溢れています。
死後もなお、相次ぐ出版と高まる再評価のなかで、様々な切り口からそのマルチな才能を紹介する展覧会が開催され、人気はますます高まりを見せています。本展は、版画作品を中心に展示し、「芸術家」という肩書きが大きい岡本太郎を「版画家」という視点から再発見し、その魅力に迫ります。