平成13年に創設された宇都宮エスペール賞は、宇都宮市に在住しているか、活動拠点がある等、本市にゆかりのある芸術家のうち、芸術の創造活動が顕著で、今後の活躍が期待できる方1名に対し贈るもので、賞の授与により、展覧会を開催するなど受賞者を支援・育成することで、芸術文化の振興を図ることを目的としています。
この「エスペール」という言葉は、フランス語の“J'espère”(ジェスペール)―「私は期待する」に由来しており、芸術家の今後の展開を応援しようという思いが込められています。
平成24年度の第11回エスペール賞は、ギャラリー関係部門(美術、文芸、茶華道、その他)の分野で公募し、多くの芸術家からのご応募がありましたが、その中からクワクボリョウタ氏が受賞しました。
クワクボ氏は昭和46(1971)年、宇都宮市に生まれます。平成8(1996)年に筑波大学大学院修士課程デザイン研究科総合造形を修了しますが、この頃からエレクトロニクスを使用した装置型の作品に取り組み、「デバイス・アート」と称される独自のスタイルを展開します。さらに近年は観者の記憶や身体感覚に訴えかける影と光のインスタレーションを国内外で発表し、注目を集めています。本展ではその最新作2点を展示いたします。