ようこそヴェネツィアへ
「アドリア海の女王」と讃えられる水の都・ヴェネツィア。町を分断するようにS字型に流れる大運河(カナル・グランデ)、そこを行き交うゴンドラの列、そして幻想的で華やかなカーニヴァルや壮麗な宮殿、教会堂など、世界屈指の観光都市として知られています。ラグーナと呼ばれる干潟の上に築かれたこの町は、周囲をアドリア海に面し、中世以降、オリエント世界と西洋を結ぶ東西貿易の一大拠点として栄えます。また、16世紀になるとヴェネツィア・ルネサンスが花開き、政治・経済とともに芸術文化における中心地でもありました。本展では、町全体が一つの芸術であり、数世紀にわたり多くの芸術家を生み出した文化都市でもあるヴェネツィアを紹介します。ボストン美術館が所蔵するヴェネツィア美術の名品から、ルネサンスの巨匠・ティツィアーノやヴェロネーゼの作品、モネを代表とする19世紀の印象派の画家たち、そして現代に至るまでの500年に及ぶヴェネツィアの美をご堪能いただけます。