イガわ 淑恵、3年ぶりの個展「今日のもがき」では、新作のコマ撮りアニメからなる映像作品と原画2年分(730枚)を公開する。作品の元となる、作家が一日も欠かさず継続し描き続けている「もがく自画像日記」は、厳しさを増す社会の荒波にもまれる作家個人の記録である。そして、それは多くの事象を一時的な消費で済まし、それによって平穏を保っている、日常という名の潮流に乗ることに必死な我々一人一人の姿の象徴ともいえるだろう。
日々の出来事を時に鈍重に、軽快に、エモーショナルに、ユーモラスをまとって泳ぐ人物が、「個人の存在理由・存在価値」という正解の無い問いの海へと鑑賞者を誘う。
コーディネーター:結城 賢