平成28年度夏の展示では、「庄内の豊かな海と自然」をテーマに、海や山、川などが描かれた作品を展示しています。
《浜の女》という同じ題名のついた伊藤喜久井の三つの作品や、中田徹の《たそがれの海》は、漁業に従事する人々の姿が描かれた、人々と庄内の海との深いつながりを感じさる作品です。 伊藤喜久井は、平穏で温かみのある描写で魚の収穫や網の修理をしている女性の姿を捉え、中田徹は、日々の仕事に精を出す人々のたくましさを力強く豪快に表現しています。
今井繁三郎の《月山》と成澤翠映の《早春の鳥海》はどちらも庄内を代表する名山を捉えた風景画です。今井繁三郎は林や田、山裾の奥に悠然と構える月山を鮮やかに生き生きと描きました。 成澤翠映は高い壁のように鎮座する鳥海山を、雪が解けた田や晴れ渡った空とともに、明るく淡い色遣いで表現しています。
その他、半澤満や齋藤求といった郷土ゆかりの作家が、それぞれの表現で庄内の自然を描いた作品も加え、10点を紹介しています