モーリス・ユトリロ(1883-1955)は、生まれ育ったパリ・モンマルトルを中心に街並みや教会などの建築物を描きつづけてきた画家です。彼の50年にも及ぶ画業は時代順に大きく「モンマニーの時代」、「白の時代」、「色彩の時代」と分けられます。中でも、様々な白色で描かれた街並みが独特の情感をたたえている「白の時代」は生前から高い評価を受けてきました。この展覧会では、先に挙げた時代区分のみならず、それぞれの過渡期にも注目して、ユトリロ絵画の全貌を紹介するものです。なお、全81点の出品作品のうち半数以上が日本初公開です。