国内外で「里山」をキーワードに身近な生物や大自然の生態系を取材してきた写真家、今森光彦。30年前からは、琵琶湖をのぞむ田園にアトリエを構え“生きものの集まる庭づくり”を実践しています。里山に生きる小さな動物たちや野に咲く花々、農業を中心にした人々の自然からの恵みを大切にする生活など、四季折々の光景を写した写真は、「里山での生命のつながり」という静かなドラマをとらえています。今森光彦はまた、ペーパーカット(切り紙)アーティストとしても活動しています。世界各地で出会ってきた鳥や昆虫たちをモチーフに精緻にカットした作品は、切り紙という概念を超えるものとして注目を集め、NHK教育テレビでの紹介をへて一躍全国に知られるようになりました。
この展覧会は、今森光彦の切り紙の最新作品および写真作品の展示とともに、里山でのライフスタイルを紹介するものです。自然と人間との共生というテーマは、私たちの日々の生活にも何らかのヒントを与えてくれるのではないでしょうか。