来年はペリー来航150年にあたります。江戸時代は、限られた国としか交流がない鎖国の時代でした。18世紀末頃から次第に日本近海に欧米の外国船の来航が相次ぎ、幕府や諸大名そして沿岸の民衆は、江戸湾を守るために海防に奔走します。やがて1854年の開国、1859年の横浜開港に至りますが、それまでの数十年間、武士や沿岸の人々は海防に苦労しました。今回の展覧会では、1846年のアメリカ、ビッドル艦隊の浦賀来航をあらわした「弘化丙午夏所来於浦賀港佛朗機船縮図」などを展示し、長い間続いた鎖国や幕藩体制という制約の中で対応されたことの難しさを再考していただきたい思います。