神田日勝(1937-1970)は、少年期に東京から十勝・鹿追町に入植し、その後営農のかたわら絵画制作を続けた異色の画家として知られています。家業の農業に従事しながら独学で絵を描き、19歳のときから帯広の公募展に作品出品を始めた日勝は、その後すぐに全道展(全道美術協会展)へと進出し、徐々に活動の幅を広げていきます。そして1964年には東京の独立展(独立美術協会展)に出品を開始し、70年に代表作《室内風景》を描き上げて急逝するまで、短いながらも生涯同展に挑み続けました。
本展は神田日勝と同じく、周囲で独立展に出品していた画家との繋がりや、戦後の美術動向を明らかにしつつ、この全国的な美術団体である独立展への挑戦とその画業の確立との関係性を考察するものです。日勝の独立展出品作を中心に、北海道ゆかりの独立の画家12名の作品と合わせてご紹介します。