当美術館のコレクションの中から、今回はさまざまな技法で描かれた海や川、湖など水辺の風景画をご紹介します。
風景画は、ルノワールやモネなどの印象派以降の各流派、各個性のそれぞれの作風によって多様な展開をとげ、20世紀における造形の目覚ましい変革のなかで、人物画や静物画と並ぶ重要な一つのジャンルとなりました。
中でも私たちの生活に欠かせない身近な存在の「水」は風景画の中でも最も親しみやすいテーマとして多くの作品が描かれています。
本展では、ピカソがカンヌのアトリエから見た海景の観光ポスターをはじめ、小説・劇作・批評・映画・絵画の各分野で多面的に活躍した才人のコクトーの版画、コンスタブル・ターナー以来の英国風景画を受け継ぐ代表的画家のシーゴーの風景画など海外の作品から、ユネスコ本部で日本の油彩画家として初めての個展を開催した奥谷博、哀愁とユーモア漂う独自の世界を描く相笠昌義、透明感溢れる静謐な細密画の成田禎介などの国内作家たちの作品約40点を選抜して展示いたします。
心やすらぐ水辺の風景をごゆっくりお楽しみ下さい。