共に多摩美術大学出身の二人は、それぞれ異なった視点から動物と向き合っています。
三重県在住の植野さんは、桐塑(桐の粉末を粘土状にしたもの)を形成、乾燥、研磨したうえに着彩し、風刺的でとても表情豊かな動物たちを生み出します。普段は見落とされている感情や行動など、人々の日常生活の事柄をすくい上げ、作品に落とし込んでいます。
一方、テレビ出演など幅広い活動で注目を集める冨岡さんは、土の質感を活かしつつ毛並みまでも陶芸で表現します。「動物の思考や感覚がどんなものか知りたい!」という憧れや尊敬の念が込められた作品は、どの子もとても愛らしく、同時に野性の力強さが感じられます。
今回はギャラリーの奥に、照明を落とし薄明かりの中に動物たちが浮かび上がる、展示タイトル通りのスペースを設けました。静かに動物たちに寄り添っていると、息遣いまで聞こえてきそうです。