- タイトル等
若し明治の油画が一の歴史をなすに足るものであるならば、原田の如きは、必ずや特筆して伝うべきタイプであるだろう。
―森 鷗外
- 会場
- 神奈川県立近代美術館 葉山
- 会期
- 2016-04-08~2016-05-15
[会期中、一部展示替を行います。前期 4月8日―5月1日 / 5月3日―15日]
- 休催日
- 月曜日
- 開催時間
- 午前9時30分~午後5時
入館は4時30分まで
- 観覧料
- 一般 1,200円(1,100円) / 20歳未満・学生 1,050円(950円) / 65歳以上 600円 / 高校生 100円
・( )内は20名以上の団体料金
・中学生以下と障害者手帳等をお持ちの方(および介助者原則1名)は無料です。その他の割引につきましてはお問い合わせください。
・上記観覧料で「コレクション展1:明治の美術」(第1展示室)もご覧いただけます。
・ファミリー・コミュニケーションの日: 毎月第1日曜日(今回は5月1日)は、18歳未満のお子様連れのご家族は優待料金(65歳以上の方を除く)でご観覧いただけます。
- 主催者
- 神奈川県立近代美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
- 協賛・協力等
- 協賛:ライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパン日本興亜、日本テレビ放送網
後援:東京ドイツ文化センター、公益財団法人ポーラ美術振興財団
協力:日本航空、日本通運
助成:公益財団法人吉野石膏美術振興財団
- 概要
幕末の江戸に生まれた原田直次郎(1863-1899)は、西洋画の習得を志して高橋由一に師事したのち、ミュンヘンの美術アカデミーに留学します。この地で文豪・森鷗外と終生の友情を結び、「舞姫」「文づかい」と並ぶ鷗外のドイツ三部作の一つ「うたかたの記」では主人公の画学生・巨勢 (こせ) のモデルとなりました。
3年の滞欧から帰国した1887(明治20)年、伝統回帰への志向が強まり洋画排斥運動のさなかにあった日本の美術界で、原田は西洋画の正則 (アカデミック) な理念と技術を広めるべく奮闘します。洋画団体「明治美術会」の創立に参加、作品発表と並んで論述活動も行いました。1889年には画塾「鍾美館 (しょうびかん)」を開き、和田英作や三宅克己 (こっき)、大下藤次郎らを輩出しています。1890年の第3回内国勧業博覧会に出品し、画題論争を巻き起こした大作《騎龍観音》などを通して、西洋美術の正統を伝えながらも36歳で病に斃 (たお) れた原田の活動は、日本における西洋画の受容を考える上で短くも重要な軌跡を描きました。
1909(明治42)年、鷗外を発起人代表者とする没後10年記念の遺作展が、東京美術学校(現・東京藝術大学)を会場に開催され、翌年に追想の画文集『原田先生記念帖』も出版されました。
本展は、森鷗外をいわばキュレーターとした前回の遺作展以来、実に107年ぶりの原田直次郎の回顧展となります。重要文化財2点(《靴屋の親爺》《騎龍観音》)を含む原田直次郎の油彩約30点と素描類、森鷗外や徳富蘇峰に協力した挿図や表紙画などグラフィックの仕事約30点に加え、ドイツでの師ガブリエル・フォン・マックスや友人らの作品をはじめ文化都市ミュンヘンの息吹を伝える日本初公開の19世紀ドイツ美術の絵画・版画・写真類や新作映像、そして高橋由一や松岡寿、伊藤快彦など周辺作家を加え、総数200点を超える作品と資料で、原田直次郎の画業と日本近代美術史における展開を概観します。
- イベント情報
- (1) 記念講演会「直次郎と鷗外―ミュンヘンの青春」
4月9日(土) 午後1時~2時30分
講師:芳賀徹氏 (静岡県立美術館館長)
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 講堂
定員:70名 (当日先着順)
(2) 国際シンポジウム「美術の19世紀―ドイツと日本」
5月8日(日) 午後1時~4時
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 講堂
定員:70名 (当日先着順)
助成:公益財団法人吉野石膏美術財団
※詳細は当館サイトの「ニュース・イベント」(http://www.moma.pref.kanagawa.jp/public/NewsTop.do)、公式ツイッター(@KanagawaMoMA)でお知らせします。
(3) スライドレクチャー
5月1日(日) 午後2時~3時
講師:安松みゆき氏 (別府大学教授)
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 講堂
定員:70名 (当日先着順)
(4) ゲストトーク
5月14日(土) 午後2時~3時
ゲスト:河合哲夫氏 (美術史家)
聞き手:当館学芸員
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 展示室
(5) 館長トーク
4月24日(日) 午後2時~3時
話し手:水沢勉 (当館館長)
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 展示室
(6) 担当学芸員による展示解説
4月10日(日) 5月3日(火・祝) 各日午後2時~3時
会場:神奈川県立近代美術館 葉山 展示室
※関連企画への参加はすべて申込不要、無料ですが、(4)~(6)については、「原田直次郎展」の当日観覧券が必要です。
- ホームページ
- http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2016/harada/index.html