新潟の冬。曇天の空のもと、だからこそ、〈光〉に想いを馳(は)せる展覧会を開催します。
事物の凹凸や色調を捉えるにも、空間の広がりを感じるにも、私たちの視覚経験に不可欠な〈光〉。美術の分野でも〈光〉をどのように扱うかは常に根源的なテーマです。屋外での写生をもとに、まばゆい陽光風景を描いた矢部友衛や岡本唐貴(とうき)。太陽と大気が作り出す一瞬の煌めきを抽象表現で捉えた末松正樹。割れたカメラレンズ越しに真夏の東京を切り取った荒木経惟。あるいは、表面に帯びる輝きと陰影によって、生命感を湛(たた)えるメダルド・ロッソの彫刻。そして、心の奥底に灯(とも)る静かで力強い〈光〉の存在を気づかせてくれる草間彌生の作品。
本展では、所蔵品の中から〈光〉に関わるさまざま表現を紹介し、「美術館流日向ぼっこ」をお届けします。