フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)の芸術に重要な役割を果たした人々は少なくありません。先人のドラクロワやミレー、同時代に活躍したゴーガンやベルナールといった画家たちをはじめ、画商タンギー、医師ガシェ、郵便配達夫ルーランなどの友人たち。なかでも兄のフィンセントを物心両面にわたって支えた弟のテオは、画商であると同時に、フィンセントの最大のパトロンでありよき理解者でもありました。この弟を抜きにしてフィンセント・ファン・ゴッホを語ることはできません。
今回の展覧会では、フィンセントの作品はもとより、関係のあった画家たちの作品に加え、兄弟の間で交わされた手紙や写真など貴重な資料を併せた90余点を展示し、これまで日本で紹介されることの少なかったもう一人のファン・ゴッホ、弟テオに焦点を合わせ、新たな視点からフィンセントの生涯と作品をふりかえります。
「ゴッホ展」は、日本においても過去に幾度か開催されています。しかし、この偉大な画家の展覧会は、そのたびに見るものに新たな発見と感動を与えてきました。
ファン・ゴッホ兄弟の交流の軌跡と、数々の資料、同時代の関係作家たちの作品から浮かび上がるフィンセントの姿をこの機会に是非ご覧ください。