目黒区美術館コレクション展 来しかた、行くさき…
目黒区美術館では開館に先立つ1981年から、近現代の美術をさまざまな角度からとりあげて、特に日本人作家の欧米との関わりを主なテーマのひとつとして作品収集を続けて来ました。購入だけでなく、多くのご厚意による寄贈等も受け、現在では油彩を中心に素描、版画、彫刻などの作品を所蔵しています。
これらの作品は、毎年、「所蔵作品展」という形で紹介してきましたが、今回はその中から、藤田嗣治や高崎剛らの戦前の滞欧作品や、村上友晴、寺崎百合子など現代の作家たちの作品など、近年の2010年以降に収蔵・寄託となった作品を中心にご覧いただきます。
また、明治末から昭和にかけて、洋画から南画まで自在に絵筆をふるった画家・小川千甕(1882~1971)が、1913~14年に遊学したヨーロッパで描いた水彩、油彩、スケッチを小特集展示いたします。
特集展示
秋岡芳夫全集④暮らしと家具
「秋岡芳夫全集」は、目黒ゆかりの工業デザイナー秋岡芳夫(1920-1997)の回顧展「DOMA 秋岡芳夫展」(2011)をきっかけに始まったシリーズ展示です。
工業デザインから出発して、地域の文化や産業のあり方、道具と人の豊かな関係性など、多方面に思索を深めつつ創作活動にも力を注いだ秋岡の、幅広い思考と創造の足跡を示す膨大な作品・資料群の中から、これまで「写真」「童画」「版画」などテーマに定めてご紹介してきました。
今回は、秋岡芳夫の椅子などの家具に焦点をあて、暮らしとデザインをめぐる思索を探ります。